巨人のカップ期間限定事前販売企画は、無事に終了いたしました!
皆様のお陰様で、目標金額も達成することができました!ありがとうございました!
開発費数百万の壁…それでも「巨人のカップ」を完成させて「世界」に発信したい!
ー美濃焼と陶磁器産業とガバいこみの話ー
「美濃焼の地で作られた“ガバいこみ作品”を器ギャラリーに留まらず、日本のみに留まらず、とにかく多くのエリアで見てほしい。そうすれば日本の産業におけるこの技法の生存率が上がると思うから。」
日本の陶芸は世界で尊敬されてきました。私が2009年にサンフランシスコにある美術大学の授業で陶芸コースを受けた時、最初の授業で「日本の山奥に住むおじいちゃん陶芸家のDVD」を鑑賞した。もちろん日本語で、だ。
私が在住する土岐市には、安土桃山時代から脈々と繁栄してきた日本陶芸文化、そして陶磁器産業がある。私を支えた土岐市にある工房のすぐ裏には巨大な登り窯が存在し、神化しているとも言える風格を放ち続けています。こうしてこの街と陶芸家や陶磁器産業は共存してきました。
そして今、この街の「陶磁器産業」から「ガバいこみ」という技法が消えてきています。私の器はこの形成技法でできていて、この技法でしか作ることができないのです。
ー私が頼るガバいこみの仕組みと現状ー
ガバいこみとは、吸水性に優れ た石膏型に流し込まれる泥状の土の水分を吸い固めて形成する技法です。私の作品に見られる小さなオブジェやクリスタルの台 座、額縁、柱などは全て一体となった土で成り立っています。こんな摩訶不思議で繊細な形を生み出せる唯一の技法なのです。
かつて美濃焼の製陶産業を支えたこの技法で作られた器は「 宝石のような高価な器」として世界中の製陶産業に衝撃を与え 魅了しました。その後、時代は大量生産、大量消費へとシフトし 人口の最も多い消費者層に合わせた安価な価格帯の商品製 造を中心としたため、お金と時間の掛かる「手作り製造品」は「 機械製造品」へと代わっていきました。製陶産業は勢いを増しました。しかしながら、得る物があれば失うものがあるものです。
産業から失われたのは、人が人の手へ繋ぐ「技法」でした。近代 になり、自宅で過ごす時間が増え屋内を装飾する器を探し求め る人が世界中で増えました。陶芸作家が作る高価な手作りの 器が世界中で求められるようになったのです。私を含め、多く の陶芸作家の生産数は製陶産業の生産数に比べればごく僅 か。需要があっても供給が追いつかないのです。2021年、私は 器作品の製作を依頼できる製陶産業を見つけるため美濃焼中 を探しました。そこで知ったのは「かつての手作りはもうできな くなってしまった」と言う現実でした。原因は、長年に渡る手作り 需要の減少で技術者が不要となり、技術そのものが不要となっ た事でした。私はこうして自分の器作りにおける使命が「需要を作ること」と「後継者を促すこと」だと感じました。
ー海外のアートマーケットへの挑戦ー
2024年になり、私は「海外からの注目を集めれば、日本で話題になりやすい。カッコよく話題になれば、全国に“グレートなガバいこみ”と言うイメージの宣伝ができる。」と考え、海外、特にアメリカのアートマーケットに出陣することを決意しました。
なぜアメリカのアートマーケットかといえば、そこがアートの世界大会があるからです。過去に多くの陶芸家の方たちがこのマーケットに進んで行きましたが、「実用性を備えたままの器がアートとして評価される」ことはほとんどありませんでした。過去にアートとして展示された陶磁器製の作品はみな彫刻作品として制作されたものばかりなのです。なぜかといえば、実用性がある時点でそれは純粋な芸術というよりも日常に寄り添う消耗品すなわち「残す価値のある資産」にはならないからだと私は考えています。
そこで私は「どうやったら“ありのままの器の姿”でアートマーケットに行き残すことができるか」と考えてきました。
その答えは単純でした。
巨大化させて一見実用品ではないようなアプローチをすればいい。そう考えました。まず見ていただく、受け入れていただく、第一ステージの「アートとして受け入れられる」を巨大化することで突破できると私は感じました。
もちろん、私は巨大化させたことにより、器の実用性を削ぎ落とすわけではありません。これは「もしも地球で6mの巨人が現れた時に、いち早くおもてなしするための器」なので、完璧な実用性を保ったまま、アートマーケットに入り込む仕掛けとなっているわけなのです。
ーとにかくかかる初期費用ー
さて、みなさもの興味はその「製作費はおいくらなの?」でしょうか。私がこのようにファンディングを行なっていることで察していらっしゃる方も多いかと思います。そうです、最低でも、一つの巨人のカップを作るのに160万円という初期費用がかかってきます。
「そこまでしてこれ作るの???やめておいたら。。。。??」
そんな声も聞こえてきますが、私はこれら4種類の巨人のカップを作り上げた暁には、観る者、買う者、作る者、それに関係する者全ての方達にグレートな未来がやってくると感じているのです。
まず、この度のファンディングにおける「巨人のカップの販売価格」は、開発費をカバーする目的の為に、ほぼ原価での価格になっております。正式な販売価格が確定した際は、この度お求めになった作品はいつでも転売していただいて構いません。むしろそうしていただき、この度ご協力してくださった方たちが「協力してよかった」と思っていただけたら私も幸いなのです。
ー訪れた国内でのビッグチャンスー
長くなってしまいましたが、最後に。
この巨人のカップの最初の展示は5月20日から6月10日まで、去年10月にグランドオープンしました「京都 蔦屋書店 現代アート展示スペース」にて致します。一昨年に作品集を作り進めようと思い「絶対に蔦屋書店さんと繋がりたい」と言う想いが通じたのか、半年後にこの展示のお誘いを受けることができたのでした。さらには、1階ショーウィンドウのディスプレイもやらせていただける事となり、私の夢の一つである「ハイブランドに負けないウィンドウディスプレイを一等地で手がけたい」が叶いそうです。とにかくこのプロジェクトには良い風が吹いているように感じています。
私の夢と野望の前進の手助けを、何卒、何卒どうぞよろしくお願い申し上げます!
東金聖
「巨人のカップ」事前販売期間: 2024年1月25日〜3月31日